はじめに
私は、古典、仏教書、古代の哲学書など、
昔の人の考え方を読むのが好きです。
なぜなら、不思議なことに、
遠い昔に生きた人々と、今現代に生きる私たちの価値観って
本質的にはあまり変わらないのだなと気づくからです。
人間関係に悩み、社会制度に苦しみ、毎日の苦を生きる。
そういう悩み苦しみは、人間は本当に誰でも持っているものです。
そして、そういう教えは今の私たちも勇気づけることができます。
今日はある本を読んでいて、面白い昔からの教えについて
書かれている一節に出会ったので紹介してみます。
七楽の教え
老舗の群れである富山の薬売りの業界では、
「楽すれば 楽が邪魔して楽ならず 楽せぬ楽が はるか楽楽」
という「七楽の教え」が昔から伝えられています。
日々、快楽志向に陥ることなく、
コツコツと自分の目の前の仕事を地道に着実に続けていくことが、
本当の楽々人生、すなわち楽しい幸せな人生になっていくというこの教えは、
すべての現代の人に通じるものです。
『百年以上続いている会社はどこが違うのか?』
田中真澄 著
致知出版社
ぶん流解説
この教えを普通に読んでみると、楽がたくさんあって
非常に読みにくい感じがあるのですが、
何回もその教えを読んでみると、なんだか深ぃ~な教えだと思ってきます。
人間、楽をしようとすればするほど、足元をすくわれます。
アリとキリギリスの童話もこれに通じることがありますが、
楽をしよう、手抜きをしようと思ってやっていると、
周りがそれを感じとり、居場所がなくなってしまったり、
楽をした後に、思わぬ災難が降りかかってくることがあります。
逆に、楽をしないで、コツコツ将来の楽のために準備をして、
日々精進していくことが、心の豊かさを生み、
大切な人々を引き寄せて、
本当に楽しい人生を送る事につながります。
有名な富山の薬売りの商人さんたちも、
日々の商売の栄枯必衰を通して
必死にその本質を学び取って後世に伝えていったのだと思います。
ですから、簡単な遊びのフレーズのようではあるけれども、
含蓄に富んだ深い人生の教訓を教えてくれるものだと思います。
おわりに
自分自身が安易な今の楽を求めていないか、
この一節を読んで、反省させられたものでした。
ついつい安定に浸ってしまうと、楽の追及に走りがちです。
そういう時が続くと、いつの間にか大きなリスクを背負ってしまいます。
だから、常に現状をみ、未来を予測し、自己を成長させるための
努力をしていくことがそのリスクを飛び越えていくために重要なのです。
結果的に人生の困難を何とか鎮め、
豊かな楽しい人生へとつながっていきます。
ここまで、読んでいただきありがとうございました。